2020年2月14日金曜日

拾い読み日記 155


 昨日も今日も、春のようにあたたかい。人も、動物も、姿かたちのないものも、穴から出てくるあたたかさ。冬のあいだは淋しい柿の木に、ときどき鳥がくる。窓を開けると、ヒヨドリが思いがけず近くにいて、はっとした。目は合っていないのに、逢った、という感覚がのこった。
 宮沢賢治「春と修羅」の序を読んだ。

 たゞたしかに記録されたこれらのけしきは
 記録されたそのとほりのこのけしきで
 それが虚無ならば虚無自身がこのとほりで
 ある程度まではみんなに共通いたします
 (すべてがわたくしの中のみんなであるやうに
  みんなのおのおののなかのすべてですから)