2020年2月7日金曜日
拾い読み日記 151
三日前、腰痛を治そうと、とある部分をかたくてまるいものでぐいぐい押したのがよくなかったようで、痛みが増してしまった。しごとのあと、疲れと、痛みと、寒さで、こころぼそくなり、ふとんをしいて乾燥機であたためつつ、からだを横たえた。ねたような、ねないような、つかのまの休息。寝室のちいさな本棚に、『ウンベルト・サバ詩集』があった。
つらいと
おもう。そうなってほしい
とおもうだけ、おもうように
なってくれない。
本をてきとうに開いてよむのがすきなのは、そこにささやかな自由があるからだと思う。どこから入ってもいい部屋。勝手に通路をつくっていい空間。
何かを成した、という実感のない日には、ただ、ひとつの詩をよんだ、ということだけを、だれかに、知らせたくなる。
ほんとうなら、ゆっくりと
起きて、
生活が、聞きとれぬほどの囁きみたいに
しか入らない
部屋がほしいのだけれど。彼女を待っている
のは、ふんわりとしたアームチェアと本が一冊。
それから、おしゃべりでない
考えがひとつ。
よんだのは、ウンベルト・サバ「三枚の水彩画」より、「2 カッフェラッテ」。
散文ではあじわえない、改行による空白と変則的なリズムが、ゆっくりとしか歩けないいまの自分に、合っている。つかえながらよむこと。歩くこと。かんがえること。