2021年8月20日金曜日

拾い読み日記 258


 ワクチンの副反応は、今のところ、腕の痛みぐらいで済んでいる。先週受けた夫もそうだった。友人2人も、1回目はそんな感じだったらしい。さて、2回目はどうなるだろうか。

 ただ、だるい気がするので、仕事は1日休むことにして、本を読んですごした。
 石井桃子『幻の朱い実』を、のこり70ページくらいまで読み進めた。上下巻あわせて900ページ近い小説だから、読み終わるのが、すこし、さみしい。20代のとき、単行本で買って持っていたのだが、そのときは上巻の途中まで読んで、手放してしまった。文庫で買い直して、読んでいる。若いときには読めなかった本を、今、夢中になって読んでいる。そこに、年をとることの醍醐味があるなと思う。

 解説は川上弘美さんが書いていて、「奇跡」という題がついている。そのことを確認して、立ち上がってフジロックの配信を見てみると、くるりが「奇跡」を歌っていた。この曲を聴くと、いつも、映画のことや、映画をみたころのことを思い出して、どこかしみじみした気持ちになるのだが、その間もなく、歌は終わった。ボーカルの人の髪がもさもさで、髭もはえていることに、ちょっとギョッとした。ベースの人は、床屋いきたてみたいにすっきりしていた。ファンファンは? と思ったらすでに脱退したらしい。

 だるいけれど、お昼につくったワンタン麺はおいしかったし、夜につくったカンパチのカルパッチョとキャベツとベーコンの蒸し煮もおいしくたべた。体調はいいみたいだ。今日はすこしお酒をのんだ。

 『幻の朱い実』を読んで、このところ減りつつあった料理への意欲が戻ってきた気がする。日常茶飯の魅力に満ちた本なのだった。
 

2021年8月14日土曜日

拾い読み日記 257


 ほとんど本を読まない日が続いていた。読みたい、ともあまり思わなかった。仕事のほかは、動画ばかり見ていた。言葉が遠くなって、とくに書きたいことも見つからない。これはこれでいいのかもしれない、と思ったりもした。

 石井桃子『山のトムさん』を読んだ。よく働くトムさん。どこにでもついてくるトムさん。うれしいとき、ゴロゴロと喉を、スカスカと鼻を鳴らすトムさん。うっとりした猫の、えもいわれぬかわいらしさと、こちらをたじろがせるようななまなましさを思い出して、なつかしかった。ぬいぐるみの猫は、いつでもおだやかで、やさしい。

 来週は、一回目のワクチンを、中小企業ワクチン接種センターで接種の予定。武蔵野市の予約が取れないので、夫が個人事業主向けのを見つけて、教えてくれた。