2024年3月27日水曜日

2024/3/27

 



2024年3月20日水曜日

拾い読み日記 295

 
 テニス部にいく夢をみた。テニスコートに立ってボールを待っているのだが、ラケットがない。しかたがないから、手で打ち返した。痛かったので続かなかった。もっとラケットを買い足すように、と進言して、テニス部を去った。険悪な空気がただよっていた。

 言葉のよい道具になりたい、などと思うことは、不遜だったかもしれない。道具がそんな思いを抱いているなんて、使いづらいに決まっている。考え直すことにする。

 どうも自分には、非人情なところがある。本に対しても、非人情な読み方をやめられない。

 今日のつかのまの読書は、非人情つながりで、『草枕』。それから『小山さんノート』、『文芸研究』から「わが隣人パシェ」(千葉文夫)。
  
 朝は快晴だったのに、みるみるうちに雲が広がり、今にも雨が降り出しそうだ。

2024年3月17日日曜日

拾い読み日記 294


 書きたいと思っていたことも、画面に向かうと消えてしまった。
 言葉を奪われ続けている。しかし、物と手の力によって、書くことはできないだろうか。そう考えて、ひとつのやり方を試してみる。続くかどうか、まだわからない。

 風の強い日だった。
 何冊かの本を手にした。
 その中の一冊から。

 「言葉は人間の道具ではない、むしろ人間が言葉の道具なのだ。個人——個体ではない——とは言語が自らを豊かにするために発明したひとつのからくりにすぎない。」(三浦雅士)

 いま、言葉の、よい道具になるためにはどうすればいいか。言葉は何をもとめているのだろうか。「手あたりばったり」、試してみるほかない。
 

2024年3月1日金曜日

拾い読み日記 293

 
 野球場に椋鳥がいた。とっとっとっとっと、歩く姿が愛らしい。近くで鳴かれるとうるさいし、柿の実にくらいついていた記憶もなまなましいので、あまりすきな鳥ではないけれど、こうして、誰もいない野球場で歩きまわっているのを見ると、遊びたいのに取りのこされた子どものようで、愁いがある。
 
 疲れがたまっていたのか、帰ってきてコーヒーを淹れてのんだところで、力尽きた。かすかに、寒気も感じた。天気のせいでもあったかもしれない。小一時間眠って、目が覚めても、起きあがる気力がない。ふとんのなかで、スマホを見たり、音楽を聴いたりして過ごす。疲れているときに聞きたくなるのは、やわらかな声。しずかな声。天上から届いたような声。「クレヨン・エンジェルの歌はすこし調子がくるってる、でもそれは、けしてわたしのせいじゃない」。

 いくつかの歌を耳に流し込み、それでもまだ起き上がれなくて、暗い部屋で途方にくれていたところ、ぽす、というちいさな音がして、何かと思えばふとんにぬいぐるみが落ちてきた音だった。こんなふうな起こされ方は、はじめてだ。ありがとう、といって寝床からようやく脱出できた。

 沼田真佑『幻日/木山の話』を読み終えた。
 回想であったり、妄想であったり、幻想であったり、そのつど、わきあがる想いに身をゆだね、言葉で書かれた、というよりは、言葉と書かれた、といったほうがいいかもしれない文章を辿ることは、つまずき、惑うことだった。まるで書くように読んでいた、と思う。
 本を読むということは、奪われ続ける自分の時間とこころを、取り戻すような営みなのか、と思った。作業と作業のあいまに、本を開いて、読むこと、少しでいい、切れ切れでもいい、それができていれば、こころの底にある見えないうつわに水がそそがれ、満たされていくようなよろこびを、感じることができる。

(まだまだ)
 もっと何か体験が、恥が、と、人生というものの、底知れぬ自由が恐ろしかった。ただ、こうは思うようになっていた。世の中に信用するに足るものが何もない以上、せめては自分が生きて、目の当たりにする現実を現実と信じ、これを書き残すことが、あるいは務めなのかもしれないと考えはじめていた。(「早春」)

 本から顔をあげて、ときどき、木を見た。このところ、木を見て、木のかたちを確かめることで、何かを保っていた。この「木山」という男にも、そういう性質があるらしく、ときどきは、彼の目を借りて、見ているようでもあった。

2024年2月18日日曜日

本のZINE


  BIBLIOPHILICのオンラインストアにて、本にまつわるZINEとして、『ある日』の取り扱いがはじまりました。山本アマネさんの本とならんで、うれしいです。写真もすてきに撮ってくださっていて。ありがとうございます。

 それから先日、曲線(仙台の本屋さん)に『fumbling』と『ある日』を納品しましたので、こちらもよろしくお願いします。

 このところは、仕事のかたわら卓球をしていて、卓球仲間も増えてきました。だんだん足が動くようになってきた、と思ったら、手首をすこし痛めてしまいました。身体をいたわりながら、続けたいです。

 ヒロイヨミ社としても、いくつか進行中のものがありますので、かたちが見えてきたら、またお知らせします。

2024年1月30日火曜日

水草

 『水草 二〇二二年 春号』水中書店+ヒロイヨミ社 2022.3.5



孔版印刷 やわ紙(ひょうたん)に金インク

2024年1月28日日曜日

装幀 

板野みずえ『新古今時代の和歌表現』花鳥社 2024.1.30




帯の刷り色=若草色(日本の伝統色  DIC N-829)