2026年7月21日火曜日

拾い読み日記 372

 
 愛は「与える」ものでも「受け取る」ものでもない。それは、関係の中で起こり、私たちを変え、揺さぶり、境界を超えさせる事象である。そこには安心だけでなく、不安も含まれる。理解と誤解、近さと距離、支えることと支えられることが、絶えず入れ替わる。その不安定さを抱えたまま、共にあろうとすること。そこにこそ、愛の現実がある。(稲原美苗『障害と生きることの現象学』

 この本は、ロマン主義なんだよ! という國分功一郎の声が、よかったなあ、と思い出している。実感がこもっていた。ロマン主義者に、ぜひ読んでほしい。ひとを愛するとはどういうことか、考えずにはいられないひとに。ひとを愛しすぎてしまうじぶんを、どうしたらいいのか、わからないひとに。
 稲原さんを目の前にすると、その透き通った、愛にあふれた「気」に、ふれられて、涙が出てしまった。人の「気」に感応しやすいので、ときどきは、そのせいで、ねこんでしまう。