2026年6月24日水曜日

たまごについて


    玄関のドアの前に、小さな卵の殻がある。しばらく前にも、そのあたりに、べつのやつが、あった気がする。なぜこんなところにウズラの玉子の殻を捨てるのだろう、と不審に(かつ不快に)思っていたけれど、これは、ヒトのしわざではない、ということに、ようやく、気がついた。たしか、新聞か、本を読んでいたときだった。おどろいて顔をあげると、ぬいぐるみと目が合った。(そうなの?)(そうだよ)。どんな生き物の卵なのかは知らないが、なぜこんなところにのこされたのか。卵の中から、何が出てきたのか。知る者は誰もいない。殻は中から割られたのだろうか。何かあたらしいものが、うまれたのだろうか。それにしても、なぜそんな些細なことを書きたいと思ったのか。ちいさな卵が落ちていただけなのに、いくつもの疑問によって、自分の内側がなんだかいきいきしてきたのが、おもしろいというか、ふしぎだった。しらないうちに、殻が割れて、あたらしいものがうまれている。ヒトだって生き物だから、そういうことが、ないとはいえない。