2026年6月18日木曜日

拾い読み日記 365


 買い換えたあともめんどうでほったらかしにしておいた約20年前のiMacと約10年前のiMacを、ようやく処分する気になり、初期化しようとしていて、10年前のほうはどうにかこうにか出来たのだが、20年前のほうは、なかなかに難しい。調べると、買ったときに添付されていたインストールDVDがないと初期化できないらしいのだが、もうそんなもの、とっくに捨ててしまった。いろいろと調べて、試して、しんから疲れた。もうハードディスクをドリルでぶっこわすしかないのか、という思いもよぎったが、そんな気概もない。

 眼鏡をはずして横になって、本棚の背の文字も見えないまま手をのばし、本を一冊抜き取ってみると、『日本の詩歌30 俳句集』(中公文庫)だった。てきとうに目についた句を読む。

 翅わつててんたう虫の飛びいづる   高野素十

 天道虫は、夏の季語。太陽に向かって飛んでいく、幸運を象徴する虫だと知る。ちいさな虫のちいさな翅のうごきを思い浮かべて、こころがすこし晴れて、またこの「めんどうくさい」機械に向かい合う気力が出てきた。

 それからしばらくして、自分自身に、驚いてしまった。毎日のように使っていた道具に対して、ドリルでぶっこわすなどと、暴力的な考えを持ったことが意外だった。この「物」への暴力性は、どこから来たのか。この機械を使ってなされる行為(読むことや書くことや調べることやデザインすること、そのほか)に、その暴力性はおよんでいないのか、かんがえる必要がある、と思った。