2021年5月12日水曜日

拾い読み日記 240

 
 伊藤亜紗『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』を62ページまで読んだ。

詩が生まれるのは、作者と読者が「伝達」ではないしかたで結びつくときである。詩の創造とは関係の創造である。そのとき、どのような関係が創造されているのか。

 ここで、書き留めておきたい、と顔をあげた。部屋には静かな音楽が流れていて、パソコンの前に座る前に、本棚を眺めた。本を読んでいるとき、仕事をしているとき、食事をしているとき、話しているとき、ぼんやりしているとき、いつでも本棚がそばにある。本棚に並んでいる本たちを、しぬまでにぜんぶは読めないだろうなあ、と思った。そう思っても、あせりもさみしさも感じなかった。あきらめ、というわけでもない。

 歯医者で、歯の検査。あまりよくない結果を告げられる。しかしそれにも慣れてきた。