2020年5月4日月曜日

拾い読み日記 180


 思っている、思い出している、というよりは、もやもやした思いのかたまりや記憶のかけらがつぎつぎあらわれ、消えてはまた、よわよわしい生命のようにうまれてくるのを、ただ、見ている。何もことばにはならず、すべては泡のようにはかなくて、ただ、その流れの中にひたされている。そんなふうに、時間がすぎていく。

 君を夏の一日に喩えようか。
 君は更に美しくて、更に優しい。
 心ない風は五月の蕾を散らし、
 又、夏の期限が余りにも短いのを何とすればいいのか。
 
 シェイクスピアのソネット、吉田健一訳。本が見当たらないので、5年前のメモから。

 葉の緑が日に日に濃くなって、置いていかれるように感じる。
 明日は立夏だ。