2017年5月5日金曜日

BOOK DAY とやま


昨日は隣の方が、たけのこを二本くださいました。東北のほうから送られてきたそうです。夜、米ぬかでゆでて、たけのこご飯を作りました。とってもおいしくできました。しかし、夫は、たけのこが好きでも嫌いでもない。まったく興味がない、といいます。どういうことなのだろう。うまくその感覚がつかめなくて、おいしいね、とつい何度か話しかけてしまいましたが、あいまいな返事をくりかえしていました。
たけのこの皮には、黒い毛がみっしり生えていて、なんというか、荒々しくて、ヒグマみたい、と思いました。すこし、うっとりとした心地になりました。

さて、6月にBOOK DAY とやまというイベントに参加します。同郷の、alsurbooksさんに誘っていただきました。

ヒロイヨミ社の本だけでなく、製本家の都筑晶絵さんと作っているananas pressの本や、「北と南」河内くんとの『ほんほん蒸気』、水中書店との『水草』も持っていきます。北陸新幹線でゆきます。どんな一日になるのでしょう。富山のみなさま、どうぞよろしくお願いします。


日時: 2017年 6月3日(土)10:00 – 19:00  ※ 雨天決行
会場: 総曲輪・グランドプラザ ※ 入場無料
富山市総曲輪 3-8-39 

追伸 林ショップにいくのがたのしみ

2017年4月7日金曜日

千葉文夫のシネクラブ時代




今年はじめての更新となりました。ほんとうはいろいろと、ここでお知らせしたいことがあったのに、長い文章を書く、気力と体力がありませんでした。

さて、このたび、下記の催しのチラシをデザインしました。


 + + + + +

千葉文夫のシネクラブ時代
1980年前後パリ/東京の映画と仲間たち

出演:千葉文夫
聞き手:郡淳一郎

4月22日(土) 13時より
アテネ・フランセ文化センター
入場料 1000円

詳細はこちらをごらんください

 + + + + +

1990年、早稲田大学に入学してすぐ、新入生のためのガイダンスがあり、フランス語のクラス担当として説明にいらしたのが、千葉文夫先生でした。東京に出てきたばかりで、大学という場所もなにやらおそろしく、すべてが不安なときでした。そのとき、先生がなにを話されたのかはまったく記憶にありませんが、淡々と話される様子に、この人はきっとおもしろい人だ、と思ったことは覚えています。不安や緊張が、すこしゆるんでいくような気がしました。こういう大人がいる、「東京」とか「大学」とかいう場所は、もしかして、いいところかもしれない、という淡い希望を、くださったように思います。大学一年生のときは、自分をとりまくすべてのことになじめない感じがして、積極的に人と関わろうとしなかったのですが、その淡い希望が、今から思えば、当時の自分をささえる、大切なもののひとつだった気がします。とはいえ、先生とはその後とくにお話しする機会もなく、4年間が過ぎていきました。

卒業してから、図書新聞という会社に5年間勤めました。そのころ、幾度か先生に書評をお願いしました。電話をかけるたび、やはり淡々と、こころよく、引きうけてくださいました。そのときも、ただ電話とファクシミリだけのやりとりで、お会いする機会はありませんでした。

それからおよそ10数年がたって、先生の最終講義を聴きにいくことになったのは、オルタナ編集者の郡淳一郎さんが、誘ってくださったからでした。講義のテーマは「アーティストの/としての肖像 デュシャンからレリスへ、遊戯の名において」。はたして自分が理解できるのか、そもそも聴きにいく資格があるのか、不安な心持ちで文学部のキャンパスに向かいました。

 舌はかわいて煉瓦のように
 かたくなつて言葉が出されない
 この恐怖の午後
 でも何ごとか自分のことを
 言わなければならないのだ
 何ごとか感謝すべきだ
 いつしよに酒をのんだ人達の前で
 別れの絃琴をひかねばならない
 (西脇順三郎「最終講義」より)

自分の最終講義でこの詩を朗読する人は、あまりいないのではないでしょうか。千葉先生らしいと思いました。こういうシニカルな、飄々としたところに、かつて惹かれたことを思いだしました。
先生が過ごしたさまざまな時間と、先生が関わったさまざまな人々が交錯し、流れたり光ったり渦を巻いたりしてどこまでも続いてゆく川をみているような、そんな最終講義でした。水面にいくつもの波紋がかさなり、そのかたちに見とれているうちにまたあたらしい波紋がうまれて、中心はどこだろう、と魔法にかかったようになり、夢中になって追いかけていって我に返ると、歌が聞こえてきました。“I'm so lucky to be me”。ともに長い旅をしてきたあとのような、淋しさと清々しさと、それから、なにかに感謝したい気持ちでみたされました。こんな気持ちになるとは、思いもしませんでした。生きていて、出会って、別れて、ふたたび出会うことの不思議。「個人の自由意志による主体的な選択といった言い方を人は好んでするが、われわれは正体不明のものに絡み取られながら、辛うじて何かを掴み取るだけのことではないのか。」(千葉文夫「回帰する時間、あるいは無限のざわめき」)
いつのまにか自分も、18歳から45歳になっていて。不思議、としかいいようがありません。

翌日、郡さんから電話があり、千葉先生の最終講義のすばらしさで盛りあがったあと、この企画の話をうかがい、チラシのデザインを依頼されました。そういう次第で、ヒロイヨミ社はこの企画に関わっています。
千葉先生のことをよく知らない方でも、もちろん知っている方も、4月22日、ぜひ、いらしてください。千葉文夫と郡淳一郎。おもしろくないわけがありません。きっと、誰にとっても、忘れがたい、特別な時間になることと思います。


追伸 お花見はされましたか

2016年12月25日日曜日

New Year Greetings 2017





New Year Greetings

2017/1/8(日)~1/22(日)

12時~19時
最終日は17時まで
月火水休み ※1/9(月・祝)open

東京都杉並区西荻北5-25-2 tel/fax 03-3390-7590
(西荻窪駅から徒歩約10分)

活版、グラフィックデザイン、イラストレーション、版画、カリグラフィー、陶、ガラス、和紙……さまざまな分野で活動している方々から送っていただいた年賀状を展示します。それぞれの想いで作られた年賀状の一枚一枚を、どうぞ見てさわって、おたのしみください。

参加者=朝倉紀子/厚川文子/atsumi/阿部真弓/阿部龍一/Anna Greeson/Anima uni/アトリエか猫/石神照美/石曽根昭仁/井上陽子/岩瀬敬美/宇佐美智子/うちきばがんた/扇谷一穂/大浦美和/小沢利佳/大平高之/ka-ji-/カイテン/嘉瑞工房(高岡昌生)/か猫としひこ/鎌田充浩/亀井英理/川口伊代/河原くみこ/九ポ堂/knoten/guse ars/くまのひでのぶ/クロヌマタカトシ/Ko. Machiyama/Conalogue/駒ヶ嶺三彩/コンドウヒロミ/五月女寛/佐藤礼子(リュース オ ボウ)/sunshine to you!/三戸美奈子/シガハルカ/島田篤/清水直子/Jun Sasaki/しゅんしゅん/正一/白石和弘/杉橋よしえ(Juin)/杉本文/鈴木いづみ/ズアン課(スズキチヒロ)/STORE/高橋収(uzura)/タカヒロコ/髙松加寿子/a.A 長南芳子/辻恵子/津田貴司/都筑晶絵/ツバメ活版堂/つるぎ堂/鶴留尚子/冨樫美早/富田恵子/ナカオタカシ/中村早/中村菜都子/二月空/西舘朋央/新田佳子/二宮郁子/布谷文明/Bird Design/波多野裕子/ハタノワタル/ハルカゼ舎/BAN/美肌室ソラ/平木元/平間磨理夫/fancomi/服と雑貨 イト/藤田道子/舩橋陽/保坂優子/星幸恵/保立葉菜/堀口尚子/堀口ミネオ/松川けんし/松野章弘・森田節子/マツバラリエ/涙ガラス制作所 松本裕子/丸山まこと/まんまる/溝上幾久子/溝田尚子/宮下香代/村橋貴博/百田智行/森田千晶/もりのこと(サノアイ)/森雅代/矢島公雄/矢島美途/山下桂樹(CATALYZE DESIGN)/山本アマネ/山元伸子(ヒロイヨミ社)/ユカワアツコ/遊佐一弥(cafe+gallery芝生)/横溝健志/米谷明香/リン版画工房/龍骨堂/Ruinchi/渡邉知樹/和田祐子/……

※フライヤー印刷後、都合により、参加者に若干の変更がありました

初日16時~20時にオープニングパーティーを開催します。
キャッシュオン形式にて、たしろりなさんによるフードとはなれセレクトの日本酒などをご用意してお待ちしています。
みなさまお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

  + + + + +

4年ぶりのNew Year Greetings展です。
来年、10周年を迎えるギャラリーみずのそらの小峰健太郎さんの企画で、駒ヶ嶺三彩さんといっしょに、運営のお手伝いをしています。

つくり手のみなさんの年賀状があつまった空間にいると、なにか、たくさんのひとからしあわせをいのられているようで、うれしく、あたたかな気持ちになったものでした。

あたらしい年が、よい年になりますように、願いをこめて。
今年はひさしぶりに、じぶんで印刷してみました。2色刷りです。印刷は、おもしろいです。

初日の8日にオープニングもあります。
みなさまにお会いできるのを、たのしみにしています。
どうぞよろしくおねがいいたします。



追伸 メリークリスマスです





2016年6月26日日曜日

漂流線  





「梅雨は降り梅雨は晴るるといふことを」(後藤夜半) 
きょうは、しっかりと、晴れています。暑い日。 ひさしぶりの洗濯ものが、よく乾いて、こころまでカラリと乾いてゆく気がします。

西荻窪のギャラリーみずのそらで、「漂流線」というグループ展を開催します。
同じメンバーで、4回目となる今回の展示。前回のグループ展「蒐集記」(2013年11月)が終わって、搬出後すぐに、オーナーの小峰恵子さんから次回の開催を提案され、そのあいだに小峰さんは、突然いってしまわれましたが、このたび、また同じメンバーで開催できることを、とてもありがたく思っています。
詳細は、以下です。

 + + + + +

「漂流線」


日時:2016年7月16日(土)〜7月24日(日)
13:00〜20:00(18日〜17:30、最終日 〜18:00) 19日(火)休  

「水の手紙/空の余白」「机上の灯台」「蒐集記」につづくブックアート/銅版画/木版画/冊子/短歌 etc. +活版印刷の作品展

東京音杉並区西荻北5-25-2 tel/fax 03-3390-7590
(西荻窪駅から徒歩約10分)

◉ライブ「漂ふ鳥・迷ふ鳥」
 《出演》短歌:石川美南(山羊の木)  音:津田貴司
 《日時》7月18日(月・祝)受付17:30〜、開演18:00〜
 《入場料》1500円 

◉7月23日(土)、24日(日)
赤井都による「漂流線」を作るワークショップ開催
《参加費》3000円 予約不要・随時受付

◉期間中、カフェにてあゆみ食堂の特製かき氷をご用意しております(数量限定)

 + + + + +

小峰さんには、三鷹でひとり暮らすようになってから、なにかと誘っていただいたりして、たのしい、あたたかな時間を、たくさんくださったものだなあと、思い出しています。前回の展示の打ち上げでは、参加者たちが持ち芸(というかなんというか)を披露し、みんなでお腹が痛くなるほど笑いました。うつくしいものとおもしろいことが大好きで、人にも物にも愛情をおしむことなく注がれた、小峰さんでした。

「漂流線」のために、ヒロイヨミ社は、『漂流箋』をつくっています。
誰かにあてた手紙のようであり、宛先を持たずに漂っているようでもある言葉をあつめた、冊子です。なんとなく、曇りの日の、海のしずかなつぶやきのような、(本)になりそうです。

ひとり暮らしからふたり暮らしになり、一年がたち、だんだん、おちついてきました。ひさしぶりに活字を組んで、自分で印刷するつもりです。どうなるのでしょう。とりあえず、活字を整理して、試し刷りして、植物由来のインキ洗浄剤をしらべてみました。食べる部屋も、寝る部屋も、刷る部屋も、同じになったので、ちょっと、気をつかいます。ひとりのときは、部屋が狭すぎて、印刷機は預けた(置いてきた)ままになっていました。




DMが刷り上がり、まだあまり配布したり送ったりできていませんが、これからがんばります。
ひとまず、三鷹の古本屋・水中書店(夫がやっています)に置いてあります。わたしもときどき、お店番していますので、どうぞお近くにお越しの際は、寄ってみてください。いい本がたくさんあります。(ヒロイヨミ社の本は置いてません)

DMデザインはわたしが担当し、写真は山羊の木の橋目侑季さんが撮ってくださいました。

どうぞよろしくお願いします。
暑い時期だと思いますが、かき氷もありますし、足をお運びいただけたら、うれしいです。


追伸 西日とのたたかいになりそうです

2016年6月9日木曜日

ソラでよんだ言葉






ライトグレーの、梅雨の空。ときおり電車の音がするほかは、鳥のさえずりばかりが響く、しずかな午後です。

美肌室ソラでの「読書サロン」、最終回もぶじに終了しました。
ご一緒したみなさま、企画してくださった信子さん、こころから、ありがとうございました。

慣れないことばかりで、あたふたするうちに、なんだか自分が更新されたようです。言葉をめぐって、これからも、人と言葉を交わしていこうと思います。そして、読むこと、作ることを通して、いっそう深く本の世界をさぐっていけたらと。

以下に、よんだ作品のタイトルをあげておきます。
ひとつひとつの言葉に、ひとりひとりの声や記憶がしみついて、なつかしい感じがします。きっといつまでも、そのように感じることに、なりそうです。

またどこかで、お目にかかれますように。


 + + + + +



月
・中原中也「湖上」  
・樋口一葉「月の夜」
・北原白秋「月光の谿」
・宮沢賢治「かしわばやしの夜」(抄)
・井伏鱒二「逸題」
・李白「月下独酌(其一)」
・歌 西行
・俳句 幸田露伴、松尾芭蕉

雪
・三好達治「雪」
・津村信夫「雪球(スノウボール)」
・宮沢賢治「作品第一〇〇四番」(『春と修羅 三』)
・岸田衿子「雪の絵本」
・吉田一穂「雪」
・中原中也「生ひ立ちの歌」
・歌 北原白秋
・俳句 野澤節子

花
・山村暮鳥「風景  純銀もざいく」
・辻征夫「わたしは沈丁花が」
・川崎洋「たんぽぽ」
・征矢泰子「チューリップ」
・三井葉子「さくら」
・歌 与謝野晶子、堂園昌彦
・俳句 河東碧梧桐、三橋鷹女、柴田白葉女、星野立子

雨
・尾形亀之助「雨 雨」
・吉野弘「日本の六月」
・山之口貘「雨と床屋」
・串田孫一『雲花雨雪樹鳥海夜』より 雨の言葉
・新川和江「傘をさして……」
・小池昌代「晴れ間」
・歌 若山牧水
・俳句 日野草城、永田耕衣、飯田龍太

木
・多田智満子「天領」
・岸田衿子「木の影」
・石垣りん「行く」
・江代充「幹をつたって」
・谷川俊太郎「き」
・高見順「深夜の樹木」
・俳句 阿部完市、津沢マサ子 

星
・永瀬清子「金星」
・山村暮鳥「夜景」
・多田智満子「星の戯れ」
・玉置保巳「星」
・伊東静雄「夜の葦」
・岸田衿子「星はこれいじょう」
・室生犀星「星」
・歌 与謝野晶子
・俳句 松尾芭蕉、山口誓子、今井聖

鳥
・三好達治「春の岬」
・中勘助「ほほじろの声」
・大岡信「ライフ・ストーリー」
・蜂飼耳「鳥のかたちに似ている日」
・村野四郎「鳥の巣」
・貞久秀紀「上下ちりぢりの鳩」
・歌 若山牧水、小原奈実
・俳句 小林一茶、正岡子規、日野草城

空
・山之口貘「天」
・谷川俊太郎「かなしみ」
・三好達治「Enfance finie」
・原民喜「部屋」
・飯島耕一「矩形という限定」
・大岡信「双眸」
・R.ブラウニング(上田敏訳)「春の朝」
・歌 式子内親王
・俳句 与謝蕪村、恩田侑布子



追伸 空の下でのピクニックごはん、たのしくて美味しかったです