2021年6月6日日曜日

拾い読み日記 246


 どの本を読んでも、はっとするときがときどきあって、そういうときは、たぶん、躁状態なのだろう。ひらいた本に自分がひらかれていくような感覚がある。さまざまな興味や関心や欲望が、自分のなかに眠っていることを知る。それらは、まとまることなく、ただひろがっていく。読書によって、自分を見いだす。同時に、自分を見失う。
 「私は読み、そして夢想に耽る……。してみれば読書というのは、ところかまわぬわたしの不在なのだ。読むというのは、いたるところに遍在することなのだろうか」ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』を読んでいる。ページからページへ、漂うように読んでいる。いや、読んでいる、ともいえないのかもしれない。

 柿の実が、青くて小さくてとてもかわいらしいので、その大きさを毎日確認している。