確定申告もぶじにおわりそうで、ほっとして、ひさしぶりにひとりで居酒屋に行ってみた。カウンターで、お刺身とビール。となりと席は離れているが、そうとうのんでいる女性がいて、うるさかった。ひとりでのんでいると、まわりの酔っ払いを、ひややかな目で見てしまう。なんてやばんで、げひんで、ばかっぽいのだろう、と。とはいえ、もし酔っ払ったじぶんがそこにいたら、きっと同じことを思うだろう。
やってみたいことを思いついて、そわそわして、何も手につかない。スマホを見過ぎるのをやめて、ネットも控えめにしているのに、オセロのゲームをやりはじめたら、一時間以上経っていた。黒が白に、白が黒に、たえまなく裏返っていくさまが、おもしろい。たいてい大敗する。ときどき勝つ。10回に1回くらい。だからやめられないのかもしれない。あそばれているのか。
山崎方代の歌集『迦葉』を開く。
欄外の人物として生きて来た 夏は酢蛸を召し上がれ
何者にもなりたくない、という思いに、歌がよりそってくれる。方代が尾形亀之助の詩を愛読していたことは、随筆集『青じその花』で知った。現代詩文庫を駅前の本屋でたまたま見つけて、感激しながら読んだそうだ。
見えていなかったつながりを知ることは、おもしろいことだ。
そういえば昨日は、生たこの刺身をたべた。