2021年4月17日土曜日

拾い読み日記 234

 
 くもり、のち雨の土曜日。製本したり、装幀のラフをつくったり。思ったより早くおわったので、ゆっくり過ごす。ゆっくりが大事。

 蜂飼耳訳の『方丈記』を読んだ。現代語訳で読んでから、原文で。組みがいいのか、すらすら読める。あたまのなかに流れることばがここちよい。

 いづれの所を占めて、いかなるわざをしてか、しばしも此の身をやどし、たまゆらも心をやすむべき。

 これは、もっとも心をひかれた文章、というよりは、このところぼんやりかんがえていたこと、そのままだった。

 それから、大根を煮ながら、ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』を読み始める。以前持っていたのだが、昨日、買い直したのだった。このところの読書傾向のあらわれが、あまりにもわかりやすすぎて、じぶんでもどうかと思う。
 鴨長明と、同じことをいっている、と何度か思った。鴨長明は、アン・モロウ・リンドバーグと同じことをいっていた。