2020年7月1日水曜日
拾い読み日記 192
空の灰色と湿気のせいで、からだが重たく、息苦しい。すぐ横になりたくなる。こういう日は、一日なんにもしなくても、いいのかもしれない。と思ってはみても、なにかしたいと思う。
風が強くて柿の木の枝が折れないか心配だ。ちいさな実がたくさん生っている。なりはじめから、ずっと見てきた。たべるため、というよりは、実のために、心配だ。生った実は、熟してほしい。まっとうしてほしい。実としての生命を。
レベッカ・ソルニット『迷うことについて』を3章まで読んだ。
もう長い間、視界の限界にみえる青に心を揺り動かされていた。地平線、はるかな山並み、遠方にあるもの。隔たりの向こうにあるのは内面の色だ。孤独と憧憬の色。こちらからみえるあちらの色。自分のいない場所の色。そして決して到達することのできない色。
雲が切れて、遠くに布の切れ端みたいな青空が見えた。
からだの痛みも、だるさも、消えるわけではない。何かにこころをうばわれているときだけ、それを忘れていられる。
小さな青空を探すこと。見つけること。見つづけること。