2019年5月24日金曜日
拾い読み日記 124
暑い日。ふとんを干して、シーツを洗う。ラフを何度かつくりなおし。迷走。昼寝。製本作業。
夕方になり、ひと段落。涼しい風が吹いてくる。ベランダで、昨日の飲みのこしの白ワインをのんだ。しばらく茜色の雲をながめる。雲はつぎつぎ色を変え、蛍光オレンジになったり、ピンク色になったり、それが灰色とまじりあったり、見飽きなかった。ふと、シングルトンでいっしょに夕焼けをみたふたりは、げんきかな、と思った。あれからもう8年近く経つ。あの町にいくことは、もう、ないだろうと思う。友だちがうまれたところ。かわいらしい結婚パーティーがあった場所。小さく光りながら遠ざかる飛行機をみていたから、きっと、思い出したのだ。
「あなたの微笑と似たところがあって、笑ったあと消えてしまった微笑はどこにも見つからない。あなたの体にしたってそうで、消えてしまう。愛もそうで、あなたも私もいなくなったあとはどうなるのか? それをなんと言ったらいいんでしょう? 愛がなくなったなんて言えますか?」(マルグリット・デュラス「ローマ」)
本のなかに、まだ、ephemeralをさがしている。