2019年2月15日金曜日

拾い読み日記 75



 今日も、とても寒い。二月の寒さは身体にこたえる。今朝は目が覚めて時計をみたら、9時すぎだった。ほんとうはもっとはやく起きたい。

 Angelo de Augustineを聴いている。最近知ったばかり人。名前をなかなか覚えられない。最近知った好きな声の人は、ほかに、James Vincent McMorrow。「Higher Love」のカバーが、とてもよかった。
 カバーに惹かれる、それはヒロイヨミ社のしごととも関係があると思う、というと、夫は、「テクスト性に敏感なんだね」というようなことをいった。テクスト性? 間テクスト性? 実際には何といわれたのか、わからなくなってしまった。

 ガートルード・スタイン『地理と戯曲』を少しずつ、気まぐれに、読んでいる。通読しなさいといわれたら、たぶん逃げ出すと思うが、そんなことは誰にもいわれないので、のびのびと、読んでいる。お菓子をちょっとつまむ、みたいな愉しい時間。

 そして僕たちは、しばらくのあいだ膝突き合わせて、彼女の妙ちきりんな文章を、いっしょに読んだ。「言葉が、新しい、なにかもっと親密な味わいを持って来たみたいで、そのくせ、誰でも知っている言葉が、まるで殆んど初めて見る言葉みたいに見えるね。そうだよね」と兄は言った。(シャーウッド・アンダスン「ガートルード・スタインの仕事」)

 昨日は紙事×阿部寛文二人展「紙が書く 記憶が書く」をみにいった。紙と絵の関係がおもしろい。この紙だからこの絵になった、というようなこと。
 紙と文字の関係。自分ももっと、遊んだり試したりしてもいいなと思った。心もからだも、まだ何かにしばられている。本をつくりたい気持ちと、「本」から逃れたい気持ちのあいだで。