2018年2月25日日曜日

拾い読み日記 21


 午後から国立へ。museum shop Tでguse arsの展示「CREST」をみた。欠片から生まれた模様、その模様から生まれた木製のオブジェ(壁掛け)、などなど、こころ躍る仕掛けに満ちた展示。クールなようで、物語があって、どこかノスタルジックで、でもいつも新しい。
 二人の仕事に触れたせいか、そのあとに寄った増田書店でティム・インゴルド『メイキング』を購入した。「手は人間性のゆりかごである」。立ち読みしていて目に飛び込んできたハイデガーの言葉のせいでもあるのだろう。
 今日ほかに買った本は、『ジョン・ケージ著作選』、木皿泉『お布団はタイムマシーン』。guse arsの冊子『CREST』も。久しぶりに本をたくさん買った日。ロージナ茶房であれこれ読んでから帰った。

 昨日はウィリアムモリスで阿部真弓さんの銅版画展もみた。「くも/うつわ/ふね>のような」。(表記がむずかしい。) 飛んだり、浮かんだり、流れたりする色、かたち。空の水色、水の青色。さまざまな青とことばの中でしばらく遊んで、深い呼吸をした。
 
 久しぶりに小説が読みたくなって、エンリーケ・ビラ=マタス『パリに終わりはこない』を手にした。ビラ=マタスの語り手の、屈折ぐあいが、なつかしいというのだろうか、つまり、けっこう好きみたいだ。「紳士、淑女の皆さん、当時の私はさまよえる悪夢のような人間でした」。

 まだ鼻と喉がすこしおかしくて本調子ではないので、早めに眠りたい。悪夢はあまりみたくない。