こころをおちつかせて脳内ひとり会議をしよう、と寝床に入って(昼寝をして)目覚めて、今日はもうしごとはやめて本を読もう、と決めた。どうしてだか、はぐれたような気分の午後だった。
コーヒーを淹れて、おやつをたべながら、このあいだ三日月書店で買った武田花さんのエッセイ集2冊を、かわるがわる手にとる。『煙突やニワトリ』と『カラスも猫も』。むかし持っていた本がなつかしくて買う年ごろになったのか、といえばそれはそうなのだが、この本の「感じ」が大好きで、古本屋の棚で見かけたとき、どうしてた?と声をかけられたような気持ちになったから、また手に入れたくなったのだ。装画も装幀も、まったく力みがなくて、色が調和していて、それでいてふわっと浮いているようで、すばらしいと思う。
(ちょっと恥ずかしいのだけれど)煙突が好きだ。遠くの方に煙突が見えると、行ってみたくなる。そして、真下に立って見上げてみる。気に入ったら、写真も写す。
そんなことをしながら、知らない町を、あてもなしにうろうろ歩いていると、自分がひどく臆病な癖して見たがり屋の、小さな虫のような気がしてくる。(武田花『煙突やニワトリ』)
給水塔が見えると、同じような気持ちになる。このまま、はぐれたままでいたいと思う。
