2019年4月4日木曜日
拾い読み日記 104
来週に迫った「エア メイル」展の準備。レイコさんのエアメールを読んでいた。腰が痛い、とか、目が悪くなった、とか、何度も書かれている。そういうところに共感する。
80年代の手紙にはちいさなaも登場した。とてもおとなしくていい子でびっくりした、と書かれていて、思わず、笑ってしまった……。
ようやくあたたかくなったので、お花見へ。おべんとうと缶ビールを持って桜並木をずんずん歩いた。あまりいい場所が見つけられなかったが、公園の松の木のそばのベンチに座り、ひとやすみ。楓の葉の若いみどりが綺麗だった。
帰ってきて珈琲をのんでいたらもうれつに眠くなり、布団を敷いて、寝た。起きたら暗くなっていた。なんだかちょっと、さみしい感じもした。
このひどい眠気は、季節のせいというより、年のせいかもしれない。「更年期 眠気」で検索してみて、いくつかの記事を読んだ。
さくらいろの鯛が波にのって並んでくるのは
別れをさびしがっていた家や人や波が ももいろのなかから帰ってくるときであれば
肉を踏みならしてくるおとこにも
いろと香りはついていて
そのたびの はらはらとあかく膿んでゆく船の宿
(三井葉子「さくら」)
5月の展示のタイトルは「ephemeral」に決まった。咲きながら散りゆく桜にも、この言葉はふさわしい。ひとひらひとひら、白いかけらはやがて町にとけてゆく。