リディア・デイヴィスの話になったとき、ちょうどかばんに『ほとんど記憶のない女』が入っていたから、ふたりの会話に割ってはいってしまいたい気持ちに、一瞬なったけれど(「偶然ですね!」)、戸惑われるだけだろうから、やめておいた。
もし私が私でなく下の階の住人で、私と彼が話している声を下から聞いたなら、きっとこう思うことだろう、ああ私が彼女でなくてよかった、彼女みたいな話し方で、彼女みたいな声で、彼女みたいな意見を言うなんて。(リディア・デイヴィス「下の階から」)
今朝、昨日のかばんを整理していたら本が出てきたので、すこしだけ読んだ。診察の待ち時間に読もうと思って持っていったのに、まったく読まなかった。短い話なら読む気になるかと思ったのに、触れもしなかった。
