2023年5月24日水曜日

ある日/のびている木


冬にばっさり切られた柿の木からどんどん芽が出てみるみるうちにさみどりの葉でふさふさしてきた。冬のあいだは、まるで「切られた」という事実そのものを見ているようで、窓の外に目をむけるたびかすかに暗いきもちになったものだが、今は、「のびている」という状態を、毎日見ている。いや、「のびる」という動詞そのものを、見せられている気さえする。木の、第二の生がはじまったのだ。どこまでいくだろう。