2024年7月4日木曜日

拾い読み日記 304

 
  先週、カルダーの展示を見に、Mと麻布台ヒルズというところにいってきた。ふたりでさんざん迷って、閉まる30分前に到着して、展示をみた。静かで、やや暗めのギャラリーだった。 木の匂いがした。どことなくマンションのモデルルームみたいだった。
 ゆかいな色と形のモビールを見上げていると、あかるい光と風のなかにモビールを持っていきたい気持ちになったけれど、そう思うだけで、すこし、あかるい光と風のなかに、招かれている、ともいえる。
 カルダーの絵は、どこか、ミロに近いようだな、と思ったせいだろうか。見終えてから、展示のことを話題にするとき、カルダーのことをミロといってしまう。ミロの展示、よかったね。ミロじゃないよ。カルダーだよ。7回くらいまちがえたらしい。そうとう、疲れているのかもしれない。脳が。
 カルダー展でみた映像。少年がモビールを見上げる目が、きらきらしていて、とても素敵だった。

 柴崎友香『あらゆることは今起こる』を読むと、思い当たることがたくさんあった。パニックになりやすい(でもまわりからはそう見られない)とか、眠りすぎるとか、たくさんの人と会った翌日は頭の中でずうっと話をされているみたいでぐったりする、とか。すべて脳の性質によるのだ、と思うと、多少、気がらくになる。