何の疲れかわからない疲れを感じつつ、本棚の前に立って、目にとまったガートルード・スタインの本を取り出した。
しゃりしゃりこおったくりーむ、こおるかのじょの湯気、こおるかのじょのしゃりしゃりこおったこおりの海のすばらしくて、ぬきんでていってしまった先立ってぬきんで送られた。(ガートルード・スタイン『地理と戯曲 抄』より)
何もやる気がしない、と思っていたけれど、何か書く気になってこうして書いているのは、言葉が言葉を呼ぶからだろうか。言葉が言葉を呼ぶ。去年のおわりにみた『偶然と想像』の台詞で聞いた気がする。あの作家は、ある作家を思い出させた。べつに、ぜんぜん似てはいないのに。
今朝、柿の木に鳩が来て、雪の上をしゃりしゃり音をたてて歩いていた。