2021年7月8日木曜日

拾い読み日記 254

 
 太田先生のお体とお顔は科学と芸術にささげてもやし尽くした体の残骸のようにガタガタした感じがする。長い年月の研究生活の荷にこごめられた肩を眺めながら科学者の忍耐、克己、努力を思い、深いしわの入ったお顔に、長い年月の間、あらゆる思想や感情にするどく、こまやかにヴァイブレイトした心琴の跡を見た。
 私もまた自分をもやしつくして、こんなにガタガタになって見たい、と妙なことを考えた。

 神谷美恵子『若き日の日記』より、太田先生=木下杢太郎にはじめて会った、その翌日の文章。木下杢太郎を読みたくなった。少しの詩と、植物の絵と、それぐらいしか触れてこなかった。

 昨日、InDesignをきちんと使えるようになるため、講習を受けにいった。12時間の講座のうち、半分が終わった。InDesignは、テキストや絵や写真などの素材を、ぼんぼかぼんぼかのっけていくもの、と最初に説明される。「ぼんぼかぼんぼか」がおもしろかったので、書きとめておいた。講座はとてもわかりやすくて、もう、ほとんど、使える気になっている。
 自分のなかの混沌としたものにかたちを与えるために、もっといろいろな、本をつくりたい。そのために、InDesignは、かなり役に立ちそうだ。

 梅雨の晴れ間に、初蟬の声を聞いた。