「待つ。軽い足取り。それから、草々の合間で白い小石の上を流れるせせらぎのように新鮮に流れる時間。ほほえみ、そして何ということもない、それなのにとても大切な言葉。心の音楽を聴くんだ。聴くことができる人にとって、それはほんとうにすてきなものだ……。
もちろん欲しいものはたくさんある。すべての果実、すべての花を摘みとりたいと思う。草原を胸いっぱいに吸い込みたいと思う。遊ぶ。でもそれは遊びなんだろうか? 遊びがどこで始まりどこで終わるのかはぜんぜんわからない、でもやさしい気持ちはよくわかる。そして幸福だと思う。」
(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『名の明かされない女性への手紙』)
午前中の用事のあと、早めに家に帰って作業を進めたかったけれど、あまりにも天気がよいので町をぶらぶら歩いてしまう。古本屋で古本を、古着屋でベルトを買った。いきつけでないカフェまで足をのばし、本をよんだり雑誌をよんだりした。けっこう混んでいたが、うるさくはないので、よかった。お店の人はとても小さな声で話す。
『エア メイル』、ふわっとした状態から、だんだんかたまってきた。かたまってから、またふわっとするといいと思う。