2019年6月22日土曜日

拾い読み日記 135


 一日、降ったりやんだり。6時半でも空が明るかった。今日は夏至。空のグレーが、いいなと思った。何か詠めないかと思ったが、つくってみても、いまいちだった。

 昨日は鎌倉へ。今月末で閉店するブックスモブロさんへ。変わった本が多くて、ぐるぐる棚をめぐるのが、おもしろかった。店主の荘田さんは、開店前、2011年の活版のイベントに来てくださった。混雑したちいさな会場で、一冊一冊、じっくり、あまりにもじっくり本を見てくださるので、この人、何者だろう……と、ちょっと不安になった、その人が、荘田さんだった。しばらくして、取り扱いたいとご連絡をいただいた。あの初対面の印象と、お店の棚の空気、そこにずれがないところに、安心するし、素敵だと思う。

 ずうっと前にいったnui-nui 1stに、そのとき買ったのと同じ刺繍のハンカチ(今は持ってない)を売っていたので、ちょっと感動して、また買った。同じものを作りつづけることが出来る人はいいなあ、と眩しいような気持ちになる。店主の方は年をとられても透明感があり、綺麗だった。年をとることでしか生まれない透明感が、あるようにも思う。

 鎌倉の行き帰りの電車で拾い読みしていたのは、ジャン‐ミシェル・モルポワの『エモンド』。

 言葉は暖かな息をする。それらは暖かくくるまっている。だれかが空の奥から呼ぶ。何も聞こえないが、お天気なのが見える。

 夜、水色と黄色と銀色の水彩絵の具で、小さな絵をいくつか描いた。青空と日差しが、恋しいのかもしれない。