2025年1月12日日曜日

拾い読み日記 314

 
 とても長いあいだ、頭上にかかっていた雲が、今朝は消えていた。どこにいく予定もない朝。のびのびした気分で、スコーンをたべて、落書きをしてあそぶ。
 
 おととい、ふたりの詩人の朗読会にいって、すばらしかったなと思い返して、詩集を読んで、詩を書いてみたい、とはじめて思った。
 今日、数行書いてみて、なんてちんぷなんだ、と投げ出した。

 昨夜は、ふたりの詩集(『ノックがあった』と『冬の森番』)を、食後のテーブルにのせて、Mとちいさな朗読会をひらいた。
 「オールトの雲」を読んだら、「白鳥とラーメン」を読んでくれた。それからもう一篇、「ウィークエンド」を読み、「会話」を聞いた。

 声に出して読むとき、詩が、ふたつの空間にひびく感覚があった。部屋のなかと、からだのなか。空気が変わり、よどんだものが消えていく。しずかな場所で、深い読書をしたあとのように、みたされた。

 (ところできみの好きなものはなに)
 すぐにはこたえられない。どうしてこんなにねじれてしまったのだろう、と思う。

 刷り色が決まらなくて、カラースライダーを動かしてばかりいた明け方、空をみて、CMYKの数値に変換しようとした。デジタルに占領されてしまったあたまを、まっしろの状態にしたい。空の色がそのまま、なににも変換されずに、しみいってくるこころがほしい。
 言葉は、そのあとでいい。