2024年5月19日日曜日

拾い読み日記 302

 
 こうして紙の上に書いてあるのをみると、この歌は、あまりいい歌のようには見えません。けれども、とてもお天気のいい日の午前十一時三十分ごろ、うす茶色のうぶ毛からもれて出たときには、じぶんがこれまでうたった歌のうちでも、上等(じょうとう)の歌の一つだと、プーには思えたのです。そこで、プーは、ずっとこの歌をうたいつづけてゆきました。(A.A.ミルン『プー横丁にたった家』石井桃子訳、岩波書店)

 ずうっとパソコンの前にいて、画面を凝視して、マウスをカチカチやって、作業を続けていると、あたまが混乱して、何がよかったのか、何がしたかったのか、わからなくなる。デザインの話。手からもれて出たものなら、そこにもどれるのかもしれないけれど。
 そういうときは、とりあえず、横になって、目を閉じてみる。そのうち、眠っている。目ざめてみると、あたまのなかは、落ちついている。

 朝、コーヒーをのんでいたら、中学校のプールから、大きな声援が聞こえてきた。今日は、水泳の大会らしい。とてもやかましい。声が反響して、風呂場で子どもがさわいでいるみたいだ。まだこちらは、起きたばっかりなのに。「青春だね」「ざっくりだね」。

 昨日、ふびんな犬を見かけた。あの犬のために、何ができるか、といえば、何も、できないのだが、それでも、何か、と心のなかで、たちあがろうとするものがある。