2020年12月4日金曜日

拾い読み日記 218

 
 ようやく時間ができたのであたらしい眼鏡を作りにいったら、視力ががくんと落ちていた。不安になり、翌日眼科へ。白内障が始まっているそうで、今日は、緑内障になっていないか調べるための、視野検査があった。微妙な診断だった。三ヶ月後にまた検査をすることになった。
  白内障は目の老化で、年をとれば誰でも白内障になる、とネットの記事で読んだ。80代の人は、ほぼ100%白内障らしい。早い人は40代で始まる、というから、40代後半は、まあまあ早い、といえるだろう。
 このあいだから、歯茎も腫れて、痛い。原因は分かっていて、精密な治療(保険がきかない)が必要なのだが、歯医者の予約が23日なので、それまで耐えるしかない。薬をのんだので、今日から三日間禁酒。三日もお酒をのまないなんて、数年ぶりで、なんだか新鮮だ。

 先日、ネットで村井理子さんの「更年期障害だと思ってたら重病だった話」を読んで、身につまされた。自分も自分をネグレクトしていたような気がする。自分の体は、大切だ。すぐ忘れてしまうので、書いておこう。

 今月は、脳神経外科にいってMRIも撮ってもらいたい。持病があるのに、数年前、勝手に服薬を中断してしまった。思い返せば、ネグレクトにもほどがある。
 あと、親指の付け根が一ヶ月くらい前から痛いので、整形外科にも行きたい。健康診断とか人間ドックとかも予約しよう。手遅れ、なんてことがありませんように。

 夫がいった。「オレらももう年だから、ゆっくりしたほうがいい」。オレら……?と若干当惑しながらも、同意した。40代も、30代も、無理をしてはいけない。

 仕事が落ちついたら、紙で何かつくりたいな、と『老いのくらしを変えるたのしい切り絵』(井上由季子)を、ぱらぱらめくったりしている。80代の親たちが切り絵を始めていきいきしてくる様子をみつめるまなざしは、あたたかく、かつ、こまやかで、読んでいるうちに、むしょうに、手を動かしたくなってくる。つくるうえで、とっても大切なことを、思い出させてくれる。「心と体は、〝楽しい〟と〝ゆっくり〟とのバランスが大事だと思う。」
 8年前、モーネ工房のギャラリーで買った富士山の切り絵のはがき、すごくすきだった。見た瞬間、わくわくした。ああいうものにあこがれる。

 老いることをそんなに恐れてはいなくて、もう無理しなくていい、と思うと、心がかるくなってくる。これまでとは別の生を、別のやりかたをみつけたい。これも創造であり、冒険といえるだろう。きっとできると思う。

 私の老齢が存在しないと告げることは、私が存在しないと言うのと同じだ。私の老齢を消すことは、私の人生を消すこと——私を消すことだ。(アーシュラ・K・ル=グウィン『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて』)