2020年11月8日日曜日

拾い読み日記 215

 
 昨日、家から出られなくて鬱々として暗い妄想にとりつかれたりしてしまったので、今朝は、夫といっしょに朝食を食べに外に出た。花も落ち葉も青空も綺麗で、とてもいい気分転換になった。
 開店前の水中書店で絵本と画集を買わせてもらい、家に戻って、仕事。ついついニュースを見てしまい、なかなか進まない。
カマラ・ハリスの演説、それを聞いている女性たち、女の子たち。ジョー・バイデンの演説(ジム・キャリーのものまねまで見た)、路上でよろこびあう人々、泣きながら話すコメンテーター。
 いったいどれほどの抑圧だったのだろう。自分まで解放された気持ちになった。抑圧的な、差別的なものたちが力を失ったわけではないと思うが、それでも何かを信じたくなる。

 白いページ。あたしがコリントス・アヴェニューでこしらえた物語だ。一字も書いてない、白いページ。タトゥーが入るのを待っているスティーピーの背中とおんなじ。
 鳥が飛んでくるのを待っている空。ヒナに孵るときを待っている静かな卵。時間が流れはじめる前の宇宙。現在になるのを待っている未来。
 よおく見れば、白いページは思い出や、過去の出来事や、夢やヴィジョンで埋まっている。〈可能性〉で埋まっているから、ぜったいに空虚ではない。

 このあいだ買って、拾い読みしているデイヴィッド・アーモンド『ミナの物語』を、今日も少しだけ読んだ。