2025年8月31日日曜日

拾い読み日記 332


 こころのなかにわだかまるものがあるのだが、それはことばになろうとしてなれない、想いのかたまりであるらしい。そのためにからだも重く感じるが、このわだかまりはわるいものではないのだし、すぐに外に出そうとしたら、まちがえる気がする。どうしてだか、そんな気がする。だから、しばらくは、かかえてすごそうと思う。

 ポスターの入稿準備とフライヤーのラフ制作をすすめる。なかなかすすまない。部屋のなかにさまざまなものが散らばっている。線とか文字とかかたちとか紙とか。そのなかのひとつをひろいあげて、読んだ。

 コツプに一ぱいの海がある
 娘さんたちが 泳いでゐる
 潮風だの 雲だの 扇子
 驚くことは止ることである

 4年前の8月につくった、二つ折りの「ヒロイヨミ」。立原道造の一篇の詩だけをのせた。

 一昨日、バスのなかから見上げた空が、とてもうつくしかった。こまかいうろこ雲が翼のかたちをなしていて、金色のひかりをあびて、空の果てへとむかうおおきな鳥を、まぼろしにみた。ちょうど、「There is a light that never goes out」を、きいていたときだった。