2025年8月16日土曜日

拾い読み日記 330

 
 朝、窓辺で、母親とプールに向かう子どもを見かける。浮き輪をつけて歩いている。すこし跳ねている。もう水の中にいるみたいだ。Mを呼んで、いっしょに眺める。彼のこころの、きらきらしたものを分けてもらった。これから、あの少年のように、たのしいことを、ものすごくたのしみにして、いきていこうと思った。

 ポスターのラフをつくったり、校正刷りを読んだりして、読書はほとんどできないが、校正刷りを集中して読んでいて、こころが動くので、満たされない感じはない。
 
 いそがしくなるまえにレオ・レオーニ展とルイジ・ギッリ展にいけて、よかった。

 『レオ・レオーニと仲間たち』には、書き留めておきたいことばがたくさん。「お話とは、個人的なものも含めて、逃げないようにしっかりとつかまえておくべきものなんです。そうしないと、しまいには何も残りません。」

 レオ・レオーニの絵本の原画は、一枚一枚が、手でつくりあげられた世界、という感じで、みごたえがあった。手のあと、指のあとがあちこちにのこされていて、つくることがたのしくてたまらない、という声を、耳元で聞いたような。