ananas press「エア メイル」展、開催中です。12月3日(日)まで、Quantum Gallery & Studio にて。のこすところ、三日となりました。
展示している本や作品は、どれもひらいたりめくったりできますので、ぜひ、手にとっておたのしみください。
展示している本や作品は、どれもひらいたりめくったりできますので、ぜひ、手にとっておたのしみください。
今回都筑さんがつくった「white envelope」(写真)は、Reikoさんが使った封筒の種類をしらべ、型をとって、そのかたちをうつしたものです。
文字のない、何もはいっていない封筒は、かるいから、どこかへ飛んでゆきそうです。実際、ひらかれた封筒のかたちって、なんとなく、鳥みたいだな、と思います。
あたらしく、『white on white』という、白い本をつくりました。
白い紙を前にして、色のちがいや風合いのちがいをたしかめながら、さまざまなかたちをつくっていたあいだ、言葉を読むことも書くこともできなくて、ただ、ときどき、思いだしていた手紙の一節がありました。
すぐに私に手紙を書いて下さい、長い長い手紙にして下さいね。手紙を書く時間がないのなら白紙を送って下さい、私たちは山と川によって引きさかれているけれど、あなたがなおも私のことを思っていると知らせて下さるために。(『エミリ・ディキンスンの手紙』山川瑞明・武田雅子編訳、弓書房)
Do write me soon, and let it be a long, long letter ; and when you can't get time to write, send a paper, so as to let me know you think of me still, though we are separated by hill and stream.
あたまのなかがさわがしいとき、よく、白い紙のことや、白い本のことをかんがえていました。ぼんやりとした、あいまいで、あやふやな白いイメージ。その白さは、光のような、空気のようなものにも、似ているようでした。
ゆっくりと、めくってみていただけたら、さいわいです。
写真 田村融市郎