2025年10月19日日曜日

拾い読み日記 337


 どんより暗い日曜日。今日も午後は長めの昼寝。まだ、もとの生活に戻れていない。二週間以上、ずっと気が張っていた。制作と旅と仕事と。張りつめながらも、本をめぐる幸福が、ぎっしり詰まった日々だった。

 昨日は二週間ぶりに卓球をした。靴底の摩擦がつよすぎて、転んで、お尻を打った。ダブルスで強打したあと、うしろに下がるときだった。たいしたことはなさそうだが、まだ、痛い。

 片山令子『惑星』を、開いて読んだ。この部屋は日当たりがいいので、背の黄色が、やや、褪せてしまった。そういえば、本たちは、もっと、色あざやかだった。今は、前より、くすんで見える。年をとったのだ、持ち主とおなじように。でも、くすんだ色も、やわらかい感じで、よいなと思う。
 「あたらしい雲」という詩を読んだ。

 いつもどこかで何かがおこり、胸にしみることがおこり、胸はその出来事のかたちに透けてしまう。
 いつもどこかで誰かに出逢い、誰かは胸にしみてしまい、胸はそのひとのかたちに透けてしまう。

 昨夜はちいさな別れがあった。おそらく相手のほうには、別れ、という意識もないくらいの、ささやかな接触だった。それでも、淋しい、と思い、それをつたえられた自分を思い出すとき、いつのまに、おとなになったのだろう、と不思議な気がした。そういうことを、すんなりいえる人間ではなかったのに。