2025年9月7日日曜日

拾い読み日記 335

 
 古い建物の一室で出版物を作っている人びとがいて、たまたま手伝うことになり、その作業の合間にトイレに立った。個室に入って用を足そうとすると、シャワーヘッドから勢いよく水が出てきてずぶぬれになった。なぜこんなところにシャワーがあるのか。驚きと怒りと寒気でふるえながらも、この理不尽な出来事がじぶんの人生の象徴であるようにも感じられた。今はそんなふうには思わない。夢のなかでそう思っただけだ。
カフカの日記を気まぐれに読む。

 書くにつれて高まる不安。考えられることだ。言葉という言葉は、精霊の手の中で向きを変えられて——こんな風に手が震えるのがいかにも奴等らしい動き方だ——投槍となって話者に戻ってくる。(『カフカ全集 Ⅵ 日記』)