(つづき)
どうも長くなりそうなので、以降はできるだけさらりと書きたいと思います。
ことばと絵がいっしょになった本がいい、と思ったときにうかんだのが、狩野岳朗さんの絵でした。狩野さんの絵をみていると、自由な気持ちになれます。窓みたいに、そこから何かが入ってきたり、何かが出ていったりするみたいです。風とか光とか、ささやきとかざわめきとか、何かそういうものたちが。絵っていいものだなあ、と思います。
この一年、狩野さんとゆっくりやりとりを重ねて、本がかたちになってきました。かたちがだいたいかたまってきたときに、えほんやるすばんばんするかいしゃの荒木さんに見てもらい、ひさしぶりにお店を訪ねると、あたらしい空間ができていて、その、奥の部屋にはじめて足を踏み入れたとき、まるで本の世界の内側にはいりこんだようなときめきをおぼえました。ここにぜひ、『本をひらくと』を置いてみたい、という願いがかない、えほんやさんで、原画とことばの展示を開催するはこびとなりました。
『本をひらくと』は、できあがってみると、なんとなく素朴で、ふつうで、親しみやすい感じがします。存在を主張しすぎていない、というのか、小声でひかえめ、というのか。
そういう本がすきだった、とあらためて、気がつきました。いい本、と、もし言われたら、もちろんうれしいですけれど、本っていいな、とか、本がよみたいなあ、とか、ふわっとでも思ってもらえたら、うれしく思います。
bupposoでの「の、つづき」展については、また後日、書きたいです。
展示はいずれも12月14日まで開催しています。(水曜日と木曜日はお休みです)