ようやく、溜まりに溜まったものたちの片付けをしています。「がさつにせかせかしないで、しっとり落着いた気持にと心掛け、一つ一つに、ここが区切りなのだ、ここで一段落おわるのだ、と思い思い」(幸田文)。この一年に、というより、これまでにあったことや、会った人たちのことを思い出しながら。もうすぐ、長い旅に出る人のような心持ちで。
3月、大きな喪失を経て、なにもかもが揺らいでしまった。不安と虚ろな気持ちを抱えて、ふわついた足取りで、たくさんの人に会いました。幸せな時間がひときわ、夢のようで。けれども、時には自分をコントロールしかねて、空回りしたり、かっとなったり、はしゃぎすぎたり、しごとしすぎたり、眠れなかったり、へんなところで泣いてしまったり。身近な人たちには、さんざん迷惑と心配をかけました。
来年はもっと静かな落ち着いた気持ちで、シンプルに生きたい。頭も身体もクリアにして、与えられたしごとを全うしたい。そう思っているのは今だけかもしれないけれど。そんなことが叶うなら。
いろんなことが、やるべきことがまだぜんぜん終わっていなくて、そういう場合ではないのはわかっているけれど、明日はなんとしても、映画を観にいきたい。あの映画のあの最後の台詞を、今、聞きたい、聞かなければ。今年のかたみに。そんな切実な思いを、すこし持てあましつつ、いってきます。
どうぞよいお年を。
追伸 オサレツが不安そうなのは、年賀状をまだ刷っていないから…だよね