1月は、ピロリ菌感染判明からの新型コロナウィルス感染疑いからの発症で、ほとんど家にいた。症状は、微熱、喉の違和感、頭痛くらい。仕事をしたり本を読んだりTVerでドラマを見たりして過ごした。
『ムーミン谷の仲間たち』を読んだ。こども向けの、文庫本より大きな活字の版で、読みやすかった。文庫の小さな文字では、あんなにゆったりした気持ちでは読めない。
スナフキンに名前をつけてもらった生きものが、目をかがやかせて、これから自分のほんとうの生活がはじまる、というようなことをいうくだりがよかった。憧れのスナフキンのこともそっちのけではりきっていて、そのよろこびようから、これまで彼は脇役として、自分なんて……と思いながら、生きてきたんだなあ、と思った。
思いが言葉にならなくて、ふらふら、ふわふわしていることが多くても、まったくかまわなくて、そういえば、スナフキンと大豆田とわ子が、同じようなことをいっていた。言葉が気持ちを上書きしてしまう(とわ子)。言葉にすると、言葉にした以外のことが思い出せなくなる(スナフキン)。うろおぼえだけれど。
このところ、寒さがひときわ厳しくなったが、春が遠くない気がする。春隣という、立春の前の季語がすきだ。
だれかどこかで何かさゝやけり春隣 万太郎