今月7日から書肆サイコロで開催される、山之口貘さんの展覧会「貘展」に参加します。貘さんの本や原稿などの展示と、貘さんの詩をテーマにした作品の展示です。参加者や関連イベントの情報など、くわしくはこちら、書肆サイコロのサイトをごらんください。
ヒロイヨミ社は三篇の詩を活版で刷り、その詩についての文章を3人の方にお願いして、冊子に仕立てました。執筆者は秋葉直哉さん、宮浦杏一さん、永岡大輔さんです。
「貘」というアルバムはかねてより愛聴していましたが、詩をじっくり読むのは今回がはじめてで、制作にあたって、どうしたものかと、かなりなやみました。でも結局、いまの自分がその詩に応えるなら、この形しかないだろう、というものになりました。
いや、正直にいうと、まだできていないので、わからないですが。
詩がわかった、というのは、意味がわかったということではない。浸透圧のように、詩のほうから、何かがこちらの内部に染み入ってくること。自分のなかからも出ていくものがあること。 (小池昌代『散文集 産屋』より)
詩がわかった、というのは、意味がわかったということではない。浸透圧のように、詩のほうから、何かがこちらの内部に染み入ってくること。自分のなかからも出ていくものがあること。 (小池昌代『散文集 産屋』より)
今年は展示の機会がわりと多かったので、たくさん本(というか、冊子)を作りましたが、これですこし区切りをつけたい、つけられる、と思っています。染み入ってきたものを、時間をかけて見きわめ、形にしてみたいです。どんな形かは、いまはまだ、わかりません。わからないことばかりです。
貘さんの「生きることと詩を書くことが等しい詩作の姿勢」と、その詩を深く愛する人たちの思いにふれられたことに、感謝しながら、もすこしがんばります。
12月、おいそがしい方も多いと思いますが、お時間ありましたら、ぜひお越しください。
どうぞよろしくお願いいたします。
追伸 濱野太郎さんのDMをデザインしました。展示がたのしみです。ヨシコさんのお菓子もたべたいです。