2020年10月16日金曜日

拾い読み日記 208


 3週間ぶりに神保町へ。仕事帰りに、東京堂で新刊を見てまわる。お昼休みにもいったけれど、近いから、ついふらっと入ってしまう。そのあと紙を買ったり、クラフトビールをのんだりして、ゆっくり過ごす。携帯電話を忘れてきたので、ぼうっとする時間が長くなる。以前はこんなふうだったな、と懐かしく思い出す。すきまの時間、時間の余白。そういうものが、なくなってしまった。

 夫といつもの焼き鳥屋さんにいこうとしたら、満席で入れなかったので、駅前の鳥貴族で夜ごはん。本屋で見かけた新刊の装幀の話など。ある人の最新の仕事について、何かへん、何かトリッキーなデザインなんだよね! と文句をつけたあと、トリキでトリッキーだって、としばらく笑いがとまらず。しかもトリキブラン(白ワイン)をのんでいた。

 夫が絶賛していた荻原魚雷『中年の本棚』を読み始める。おもしろい。「「四十初惑」考」には、説得力がある。自分自身の40歳のころをふりかえりつつ読む。あんまりふりかえりたくないけれど。
 夫はこの本で、「中年の危機」を乗り越えた、という。気がはやいなあ。自分は今でも、乗り越えた、という実感はない。ないなりに、どうにか過ごしている。