2009年11月20日金曜日

したたる水/切りとられた空





「水の手紙/空の余白」展、始まってから2週間がすぎました。たくさんの方にいらしていただいているようで、どうもありがとうございます。展示は今月29日(日)までです。引きつづき、どうぞよろしくお願いいたします。

展示やカフェの様子、海岸印刷さんのサイトで見られます。

今回の展示に参加した5組で作った作品集もあります。ケース製作は都筑晶絵さん。透明なゴムがしたたる水のようで、とても素敵です。わたしは文字レイアウト・活版印刷(指示と補助?)など担当しました。

わたしが作った水色のかたちは、窓からたまたま見えた空の形です。広く大きな空も、空らしくていいものですが、建物や電線やアンテナで切り取られた空の輝きに、はっとさせられることがあります。


風邪がはやっているみたいです。数日前に、猛烈な喉の痛みで目が覚めて、きのうは一日寝込みましたが、なんとか自力で治りました。薬がちょっと苦手です。発熱も、自分の体にとって意味のあることだと思っているので……

とはいいながら、来年はもうすこし強い体でもって、どこまでもひとりで出かけていきたいなあ……と、ふとんの中で『ユルスナールの靴』(須賀敦子著/河出書房新社刊)を読みながら、考えていました。


さて、香港に引っ越したアナちゃんと、新しいブログを始めました。

返事、書かねば……

2009年11月8日日曜日

はじまりました





「水の手紙/空の余白」展が始まりました。


搬入のドタバタと初日の賑わいからひと息ついて、今日はようやく、三週間くらい前から読みかけの小説を手にすることができました。


みなさんの作品が並んだギャラリー内にいると、とても気持ちのよい音楽が聞こえてくるようです。それぞれの自由な音色が、偶然に、調和して響きあっていて、いつまでも聴いていたくなります。低く長く聞こえる音は、「活版」と「ことば」でしょうか。活版印刷が、主役になるわけでも単なる印刷手段になるわけでもない、用いられ方のさりげなさ加減に、活版への愛も感じました。

ぜひ、足をお運びください。


アナナプレスの新作も、楽しんでいただけたらうれしいです。

自分だけの特別な「水」と「空」に、出会えますように。


カフェコーナーでは、参加者全員が本棚の一部を公開していますので、そちらも合わせてご覧いただければと思います。わたしは、活版で印刷された美しい本や、一昨年にオクスフォードのファインプレス・ブックフェアで購入してきた本などを置いています。


それでは、また。

「みずのそら」でお会いできたら、と……。