2020年5月29日金曜日

拾い読み日記 187


 pha『どこでもいいからどこかへ行きたい』(幻冬舎文庫)をねころがって読んでいて、すごくサウナにいきたくなり、ためしに家で温冷浴をやってみた。そのあと疲れて横たわり、起きてみたら、あたまがおかしな感じになっていた。
 パソコンの画面上の数字が2桁か3桁かすぐに判別できなくて、変だと気がついた。見ているものが何なのか、すぐにわからない。立っていても、ここにいないような気がする。何もかもに焦点が合わないような、うわすべりしているような状態だった。
 咄嗟に、脳か心の病かと思い、いろいろと検索してみる。「脳梗塞」? 早口言葉もいえるし、歩けるから、ちがうみたい。「離人症」? だいぶ近いようだった。あとから考えると、検索できるくらいなのだから、わりとだいじょうぶだったのだと思うが、そのときはパニック気味で、すぐに夫に連絡して、病院にいったほうがいいのかもしれない、とも思った。
 結局、文字も読めるし、歩けるし、たいしたことはないだろう、と気を落ち着けて、しばらく横になっていたら、元にもどった。
 あれが「サウナトランス」の状態だろうか? まさか。まったく気持ちよくはなくて、ただ居心地がわるく、不安なだけだった。いつもの自分ではない状態が、悪夢そっくりで、おそろしかった。

 小林康夫『若い人のための10冊の本』(ちくまプリマー新書)を読み終えた。passionateな本だった。「読書」のほうへ、「本」の世界へ、またあたらしく、扉が開かれたような、爽快な読後感。
 さて、今日は何を読もう。