2019年4月8日月曜日

拾い読み日記 107


 寒い日。朝から製本作業。午後、3時半から5時前まで寝た。もう、昼寝しないと一日を乗り切れない身体になってしまったようだ。なってしまった、なんてつい書いたけれど、べつに、残念には思っていない。眠るのはいい。あたまもすっきりする。

 今週末からの展示と、来月下旬の展示と、準備することとかんがえることとがたくさんあって、本が読めない。最初から読もうという気力が起きない。いくつかの本をぱらぱらとめくる。自分の手の動きの中で本は断片化していく。拾い読みはきっと破壊の衝動にもつながっている。自分で壊したものを自分ですくいあげてじっと見つめる。

 なかなか手にとれなかった『ヒロインズ』(ケイト・ザンブレノ)を、ようやく、開いてみた。

 私は洞穴の入り口に座って、バラバラの破片を紙の上に綴じ合わせる。紙切れは風に吹かれて飛ばされそうだ、誰にも読まれることなく。
 この物語から、チョークで書かれた輪郭が浮かび上がる。それは、ひとりの女の形をしている。

 「これらの断片を支えにして、私は自分の崩壊に抵抗してきた」