2018年10月20日土曜日

拾い読み日記 68


  18日〜19日、名古屋、豊田、大府へ。短い滞在だったけれど、いろいろなことがあった。次の本のための撮影、打ちあわせ、たのしかった。
 大府の大通りを歩きながら、この場所にいることが、なんだかふしぎで、おもしろい感じがした。今回の展示は、自分たちのことをぜんぜんしらない人にもみてもらえるのが、いい。部屋の窓に貼られた和紙にうつる影や光が綺麗で、あとから思いだすと、あれもどこか、本の一ページのよう。

 新幹線の事故で帰れず、せっかくなので本山の星屑珈琲へ。本がたくさんあって図書室のようでもあり、静かな、いい空気が流れていた。電車のことを調べながら、不安な、ざわざわした気持ちになったけれど、すこし知っている人と話せてよかった。そのあと週末でやけににぎわう名古屋の街をひとり歩いていたとき、心細くはあったが、すこしうっとりした気持ちにもなった。ロンドンでやみくもに歩いた夜を思い出した。それにしても、名古屋の繁華街は熱気がすごい。元気でないひとはひとりもいないみたい。
 運よく前に泊まったことのあるホテルに空きがあった。部屋にマッサージチェアまでついていた。疲れているのにあたまが冴えて、あまり眠れず。翌朝早く、東京への新幹線に乗る。
 戻ってきてすぐ着替え、義父の七回忌へ。写真でしかしらない義父だが、夫にどこか似ていて、なんとなくしたわしい。
 帰り、武蔵境の駅前の本屋でナタリア・ギンズブルグ『小さな徳』とオカヤイヅミ『みつば通り商店街にて』を買った。ギンズブルグのエッセイ、とてもすきになりそうな予感がする。
 
 家に着いて珈琲をのんだ直後に、電池が切れたよう。ふとんを敷いて深く眠る。