2018年10月16日火曜日

拾い読み日記 67


 ほぼ一日、家にいて仕事。そのあいだに洗濯槽を洗った。洗っても洗ってもちいさな黒っぽいゴミが出てきて、洗濯機をのぞきこんで暗澹とした気持ちになる。まるでわるい夢みたいだった。

 一週間ほど前に図書館で借りた『この星の忘れられない本屋の話』(ヘンリー・ヒッチングス編)をすこし読む。ドロテ・ノルス「親しみがあるということ」は本屋から追い出される話。読んでいてつらくなった。でもこういうことはある。ボルヘスの引用が気になって本棚を探したら、ちょうど見つかった。たしか増田書店で買った『ボルヘス・エッセイ集』(平凡社ライブラリー)。この家には少ししか本がないのに、これも本の「親しみ」、結びつきに関係があるかもしれない。

 「一冊の書物はけっして単なる一冊の書物ではないという単純かつ十分な理由から文学は無限である。書物は孤立したものではない。それはひとつの関係、無数の関係の軸である。」(ボルヘス「バーナード・ショーに関する〈に向けての〉ノート」)