2015年9月15日火曜日

かまくらブックフェスタ 2015


気がつくと、引っ越してから三ヶ月が過ぎていました。このところは、季節の変わり目のせいか、片付け欲がどうにもとまらず、流しの下とか、地袋とか、部屋のあちこちが、毎日きれいになっていきます。気持ちもすっきりして、いいです。もやもやしているひとに、おすすめしたいです。

さて、今年も、10月10日、11日と開催される、かまくらブックフェスタ(港の人主催)に参加いたします。
今回は、『北と南』の河内くんといっしょです。『ほんほん蒸気』という冊子をつくっています。本の周辺の、本を愛する方々に、ひとつのテーマのもとに詩を三編あげていただき、文章をよせてもらいました。原稿がどんどん届いて、読むとやっぱり、もっと詩が読みたくなるので、今日も神保町で、詩集をたくさん買いました。冊子の内容のこと、くわしくは、またお知らせします。がんばって、いい冊子にしたいです。
ブックフェスタでは、もちろん、『北と南』も、ヒロイヨミ社のあれこれも、販売いたします。今年は会場も変わって、どんなふうな雰囲気になるのか、とってもたのしみです。

今年もトークイベントに、参加の予定です。平出隆さんと郡淳一郎さんによる、「本の美しさとはなにか」。先日の「オルタナ出版史はあります」(「本をつくる・歴史をつくるⅡ 」)では、美しい本たちを実際に手にとることができて、しあわせな時間でした。郡さん、どうもありがとうございました。
ずらり、テーブルの上に本が並んでいるのを見ただけで、どきどきして、人も多かったので、落ちついて見ることはかなわなかったのですが、お話を聞いているとき、ふと本たちに目をやると、本が本でないように見えた、その瞬間、ただならぬ気配を感じて、あのときは、寒気がしました。美しい本は、強くて、おそろしいものだ、と思いました。あの気配は、そこで交わされていた、三人の言葉のせいだった、かもしれません。
閲覧のときは、みなさん夢中で、めくったり、見入ったり、されていたようでした。本はひらかれ、ひかりをあびて、それは、美しかったです。
今度の会では、どのようなことが起きるのか、しっかり見て、聞いておきたいです。

「私達の一番大きな本当の仕事は、結局生活と云ふ書物の頁を、来る日も来る日も美しく強く印刷し、彩飾し、綴ぢ合せてゆくこと」(『アイデア』354号・ p65╱寿岳文章・しづ『向日庵消息』第七信より)

ああ、すばらしい言葉だなあと思って、今すぐ走っていって、誰かに知らせたくなりました。
美しい本は、日々、つくられていきます。今日も本に、本をめぐる言葉に、励まされました。来る日も来る日も、感謝をのべたい(刷りたい)です。

それでは、また。
この秋、鎌倉でお目にかかるのを、たのしみにしています。


追伸 印刷機も川を渡って引っ越してきました